トレーニングステータス
トレーニングステータスやその他の項目の測定には、光学式心拍計または別売のハートレートセンサーを使用して2週間トレーニングを行う必要があります。サイクリングパフォーマンスの測定には、心拍計に加え、対応するパワー計が必要です。デバイスがユーザーのパフォーマンスを学習している初めの内は、測定結果が不正確になる場合があります。
これらの機能はFirstbeat Analyticsにより提供·サポートされています。パフォーマンス測定機能について詳しくはGarmin.com/performance-data/runningをご参照ください。
トレーニングステータス: VO2 Maxと短期的負荷、HRVステータスの長期間のデータを基に、トレーニングが自身のパフォーマンスにもたらす効果を示します。
VO2 Max: VO2 Max(最大酸素摂取量)とは、人が体内に取り込むことのできる酸素の一分間あたりの最大量です。単位はml/kg/分で、一分間で体重1キログラムあたり何ミリリットルの酸素を摂取できるかを表します。()デバイスは、標高や気温の影響を考慮して VO2 Max の測定値とトレーニングステータスの測定結果を補正します。()
短期的負荷: 運動の時間や強度などの最近の運動負荷を加重合計したスコアを表示します。()
負荷バランス: 過去4週間のトレーニングを低強度有酸素運動、高強度有酸素運動または無酸素運動に分類し、各分類の負荷の量とバランスを表示します。()
リカバリータイム: 身体が完全に回復するのに必要な予想時間を表示します。()。
トレーニングステータスのレベル
トレーニングステータスは、VO2 Maxとトレーニング負荷の長期間のデータを基に、トレーニングが自身のパフォーマンスにもたらす効果を示します。トレーニングステータスを参考にすることで、トレーニングの計画やフィットネスレベルの向上に役立てられます。
ステータスなし: 利用可能なトレーニングデータがありません。トレーニングステータスを表示するには、2週間で複数のランニングまたはサイクリングVO2 Maxの測定結果を含むアクティビティを記録する必要があります。
ディトレーニング: 一週間またはそれ以上、通常よりトレーニングを行っていません。フィットネスレベルに影響を及ぼし始めています。トレーニング負荷を増やして改善を試みてください。
リカバリー: ハードトレーニングで消耗した身体の回復に適したトレーニング負荷です。十分な回復を感じたら、負荷の高いトレーニングを再開しましょう。
キープ: 現在のフィットネスレベルを維持するのに適したトレーニング負荷です。今よりもワークアウトのバリエーションやトレーニングのボリュームを増やすことで、フィットネスレベルの向上が期待できます。
プロダクティブ: フィットネスレベルとパフォーマンスが良い方向に推移しています。フィットネスレベルを維持するためにトレーニングに休息期間を取り入れることも重要です。
ピーキング: これまでのトレーニングでの疲労も上手く回復ができた、理想的なレースコンディションです。このコンディションは長く続かないため、その際はトレーニングプランを改めて計画し、実行しましょう。
オーバーリーチ: トレーニング負荷が高すぎるため、フィットネスレベルの向上には逆効果です。十分な休息が必要です。適度に軽い運動を行いながら、時間をかけて身体を休めてください。
アンプロダクティブ: トレーニング負荷は適切なレベルですが、フィットネスレベルが低下しています。休息や栄養状態、ストレスなどの健康面に低下の要因があるかもしれません。
疲れている: リカバリーとトレーニング負荷のバランスが悪い状態です。ハードなトレーニングを行った後や、レースの後に通常起こり得る状態です。身体の回復を助けるため、全体的な健康状態に注意してください。
トレーニングステータスを表示するには
トレーニングステータスは、1週間に最低1回分のVO2 Maxの測定値を含むユーザーのフィットネスレベルのデータを基に評価されます()。屋内ランニングアクティビティでは、VO2 Maxは測定できません。ウルトラランまたはトレイルランでのランニングをVO2 Max測定から除外したい場合は、それぞれのアクティビティ設定でVO2 Maxの記録を無効にすることができます。()
トレーニングステータスを表示するには、次の方法をお試しください。
- 週に1回以上の頻度で、最大心拍数の70%以上の心拍数を10分間以上維持する強度のトレーニングを行います。
デバイスを1~2週間使用すると、トレーニングステータスが表示されます。
- デバイスにユーザーのパフォーマンスを学習させるため、優先トレーニングデバイスですべてのアクティビティを記録してください。()
- デバイスは、睡眠中を含めて昼夜を通して装着し、継続的に最新のHRVステータスを測定してください。有効なHRVステータスを保持することで、VO2 Maxを含むアクティビティが少ない場合でもトレーニングステータスを表示することができます。
短期的負荷は、過去数日間のEPOC(運動後過剰酸素消費量)の加重合計値で表されます。ゲージは、現在の負荷の高さと、最適な負荷の範囲を示します。最適な負荷の範囲は、ユーザーのフィットネスレベルとトレーニング履歴に基づきます。トレーニングの時間や強度が変わると、最適な負荷の範囲も変動します。
トレーニングの効果とパフォーマンスを向上させるためには、低強度と高強度の有酸素運動と、無酸素運動をバランスよく行う必要があります。トレーニング負荷バランスは、トレーニングを低強度有酸素、高強度有酸素、無酸素の3つのカテゴリーに分類して、各カテゴリーの過去4週間分のトレーニング量と目標を示します。トレーニング負荷バランスを測定するには、まずあなたのトレーニング負荷が低いか、最適か、高いかを判断するために最低7日間のトレーニングを行う必要があります。さらに4週間トレーニングを続けることで、トレーニング負荷の推定精度が向上し、バランスよくトレーニングを行うための指標として役立ちます。
目標未達成: あなたのトレーニング負荷は、すべてのカテゴリーで目標を下回っています。トレーニングの時間を増やしたり、頻度を上げてください。
低強度有酸素不足: 低強度の有酸素運動を増やして、激しい運動とのバランスをとってください。
高強度有酸素不足: 乳酸閾値とVO2 Maxの向上のため、徐々に高強度の有酸素運動を増やしてください。
無酸素不足: スピードと無酸素性キャパシティの向上のため、もう少し高強度の無酸素運動を徐々に増やしてください。
バランス: あなたのトレーニング負荷はバランスのとれた良い状態で、トレーニングを続けることでフィットネス全体に良い効果が得られます。
低強度有酸素: あなたのトレーニング負荷は主に低強度の有酸素運動です。これらのトレーニングは、より強度の高い運動を実行するための強固な基盤となります。
高強度有酸素: あなたのトレーニング負荷は主に高強度の有酸素運動です。これらのトレーニングは、乳酸閾値やVO2 Max、持久力の向上に役立ちます。
無酸素: あなたのトレーニング負荷は主に激しい無酸素運動です。トレーニングの効果を急速に得られますが、低強度の有酸素運動もバランスよく実行する必要があります。
目標超過: あなたのトレーニング負荷は、最適な範囲を超過しています。トレーニングの時間を減らしたり頻度を下げることを検討してください。
負荷比
負荷比とは、ユーザーの短期的なトレーニング負荷と長期的なトレーニング負荷の比率です。トレーニング負荷の推移を追跡するのに役立ちます。
ステータス |
設定値 |
説明 |
ステータスなし |
なし |
2週間トレーニングを記録すると負荷比が表示されます。 |
低 |
0.8未満 |
長期的負荷に比べて短期的負荷が低いです。 |
最適 |
0.8~1.4 |
短期的負荷と長期的負荷のバランスがとれています。最適な範囲は、ユーザーのフィットネスレベルとトレーニング履歴により異なります。 |
高 |
1.5~1.9 |
長期的負荷に比べて短期的負荷が高いです。 |
最高 |
2.0以上 |
長期的負荷に比べて短期的負荷がとても高いです。 |
トレーニング効果とは、ユーザーの有酸素運動能力と無酸素運動能力にトレーニングがもたらす効果を数値で示すものです。トレーニング効果は、ユーザープロフィールと心拍数、アクティビティの継続時間や強度、アクティビティタイプ、運動中に蓄積したEPOC値を基に算出されます。数値はアクティビティ中にトレーニングページに表示可能なため、現在のトレーニングがどの程度自身のフィットネスに効果をもたらしているかをすぐに確認することができます。トレーニング効果のラベルは、アクティビティがもたらす主な効果を示します。各ラベルの色は、負荷バランスに対応しています()。各フィードバックフレーズ(例: VO2 Maxの更なる向上)の詳細は、Garmin Connectアカウントで確認できます。
有酸素トレーニング効果は、アクティビティ中の心拍データから、トレーニングがもたらす有酸素運動への影響を計測し、フィットネスレベルの維持や向上に対する効果を示します。中強度の一定したペースで行う運動や、180秒以上継続して運動するインターバルを含むワークアウトは、有酸素性エネルギー代謝を促し、有酸素運動能力に高い向上効果をもたらします。
無酸素トレーニング効果は、アクティビティ中の心拍データとスピード(またはパワー)から、トレーニングがもたらすきわめて高い強度の運動に対するユーザーの能力やパフォーマンスへの効果を示します。10秒から120秒までの短いインターバルを高強度で繰り返し行うワークアウトは、無酸素性キャパシティの向上にかなり高い効果をもたらします。
トレーニングページのデータ項目に有酸素トレーニング効果と無酸素トレーニング効果を追加することで、アクティビティ中に数値をモニターすることができます。
トレーニング効果 |
有酸素向上効果 |
無氧效果 |
0.0~0.9 |
効果なし |
効果なし |
1.0~1.9 |
効果 小 |
効果 小 |
2.0~2.9 |
有酸素フィットネスの維持 |
無酸素フィットネスの維持 |
3.0~3.9 |
有酸素フィットネスの向上 |
無酸素フィットネスの向上 |
4.0~4.9 |
有酸素フィットネスの更なる向上 |
無酸素フィットネスの更なる向上 |
5 |
過度なトレーニング。十分な休息なしではリスクあり |
過度なトレーニング。十分な休息なしではリスクあり |
トレーニング効果に関する情報は、Firstbeat Analyticsにより提供、サポートされています。詳しくは、firstbeat.comをご覧ください。
リカバリータイムとは、トレーニング後の身体が十分に回復して、次のトレーニングを行うのに最適な状態になるまでの時間を表示する機能です。
注意: リカバリータイムの測定にはVO2 Maxの測定値を使用するため、初めは測定精度が低くなることがあります。デバイスにユーザーのパフォーマンスを学習させるには、アクティビティを複数回実行する必要があります。
リカバリータイムは、アクティビティ完了後、すぐに確認することができます。次のトレーニングを行うのに最適な状態になるまでの時間をカウントダウンして表示します。リカバリータイムは、睡眠やストレス、休息、身体活動の変化に基づいて一日を通してアップデートされます。
リカバリー心拍数
光学式心拍計またはペアリング済みのハートレートセンサー(別売)を装着してアクティビティを行うと、アクティビティ終了後にリカバリー心拍を確認することができます。リカバリー心拍とは、タイマー停止時の心拍数から、タイマー停止から2分後の心拍数を引いた心拍数です。例えば、ランニングを終了してタイマーを停止したときの心拍数が140 bpmで、2分間安静にするかクールダウンした後の心拍数が90 bpmのとき、リカバリー心拍数は50 bpmとなります。その差が大きいほど心肺機能が高く健康的であると言われています。
ヒント: リカバリー心拍を計測中は、なるべく動かないでください。
高地で測定されたVO2 Maxは低地で測定された値より低くなるといったように、標高または気温などの環境要因はユーザーのパフォーマンスに影響を及ぼします。デバイスは、標高や気温の影響を考慮してVO2 Maxの測定値とトレーニングステータスの測定結果を補正します。生活高度が800mを超える場合と、気温が22℃より高い環境下でトレーニングした場合に、高度適応·暑熱適応が適用されデバイスに通知されます。
注意: 暑熱適応は、接続中のスマートフォンで取得した気象データに基づいて、気温が22℃より高い環境でGPSがオンのアクティビティを実行したときに機能します。
トレーニングステータスを一時停止/再開する
けがや病気をしているときなどには、トレーニングステータス機能を一時停止することができます。一時停止すると、トレーニングステータスとトレーニング負荷、リカバリーアドバイザー、おすすめワークアウトの機能が一時的に無効になります。
一時停止したトレーニングステータスは、準備ができたらいつでも再開することができます。週に最低1回のVO2 Max測定が必要です。()
- 次のいずれかの方法でトレーニングステータスを一時停止します。
- トレーニングステータスウィジェットでMENUキーを長押しして、[トレーニングステータス設定]>[トレーニングステータス停止]を選択します。
- Garmin Connectの設定から、[パフォーマンス統計]>[トレーニングステータス]> >[トレーニングステータスを一時停止]を選択します。
- デバイスをGarmin Connectアカウントに同期します。
- トレーニングステータスを再開する場合は、次のオプションを選択します。
- トレーニングステータスウィジェットでMENUキーを長押しして、[トレーニングステータス設定]>[トレーニングステータス再開]を選択します。
- Garmin Connectの設定から、[パフォーマンス統計]>[トレーニングステータス]> >[トレーニングステータスを再開]を選択します。
- デバイスをGarmin Connectアカウントに同期します。